眼力稲荷大明神と金龍水

眼力稲荷大明神(通称ガンリキさん)~泰聖寺のパワースポット~

正一位眼力稲荷大明神の御由緒

古来、当山の鎮守の神様である眼力稲荷大明神は、
学問に霊験あらたかなりと伝えられ、特に復活、復興、先見の明、
「心眼、こころの眼」を授けてくださると云われております。

眼力とは、我々は激動の世に生きていますが、素直な心を持った
すべての人々に最善の方向を指し示す力であります。
人生の選択をせまられたとき、学業や仕事上などでどちらの方向に進めば
良いか迷ったとき、復活を眼力稲荷に心からお祈りすれば
先見の明、心眼、智慧が良き方向を指し示されましょう。
《作法二礼二拍手一礼》

眼力稲荷大明神Gallery

眼力稲荷大明神 鳥居
▲眼力稲荷大明神 鳥居

眼力稲荷大明神 祠
▲眼力稲荷大明神 祠

眼力稲荷大明神 石碑
▲眼力稲荷大明神 石碑

復活金龍大神水(天王寺七名水のひとつ)

金龍大神水 概要 

大阪市天王寺区下寺町にある泰聖寺は、
江戸時代から続く由緒ある古刹寺院で、
柳谷観音大阪霊場として信を集め、境内に湧き出る
『金龍大神水』は天王寺七名水のみならず、
「眼病に御利益あり」の評判高く、
「明治天皇御用水」の栄を授かるに至り、注目を集めた。

また、『金龍大神水』は、茶道の水としても名高く、
茶人・風流人が心寄せるほどであった。

近年、かつての湧出が“復活”したことにより、
『眼力稲荷大明神』を
“パワースポット”として明眼利生の御利益を求め、
沢山の檀信徒縁者が参拝している。 

泰聖寺の内にあり。
清泉にして甘味なり。
尤猥に汲むことを許さず
四方の好土等寺僧に囲みを結びて、これを求む。
七名泉の~なるべし金龍大神水と稱す。

摂津名所図会大成(寛政8年1796年)
『金龍清水縁起』より

天王寺七名水の歴史

以前の金龍大神水井戸
▲以前の金龍大神水井戸

泰聖寺境内には、ほのかな甘味を帯びた良質の水、
『金龍大神水』が涌き出ていました。

茶の湯として賞味され、奥庭には茶室がしつらえてあったと云います。

泰聖寺は眼病平癒で知られる京都西山柳谷観音の分霊所で、
金龍水に触れると御利益があると信仰がありました。

また、明治天皇が行幸された時、
御用水として献上されたほどの名水でありました。

昔、上町台地には生駒山からの伏流水が地下を通り、
良質な井戸水に恵まれた地です。

大坂の町がたびたび飲料水不足に悩まされた時代も
豊富な水が人々を救いました。

しかしながら、
戦後地下鉄谷町線開通の影響により天王寺七名水の殆どは枯れてしまい、
金龍水も一時は枯れてしまいましたが
私が平成20年に入山した際に毎日手入れをして井戸洗いをしたら湧き水が復活しました。

防災について

緊急時には水源に
▲緊急時には水源に

万が一の災害時、水の確保は非常に重要な課題です。

災害時に飲用水を一人あたり1日3リットル
給水出来る体制を整えておかなければなりませんが、
それだけでは飲用以外の清掃、トイレ、風呂等のための生活用水が
不足すると考えられ、
地域の衛生状態の悪化に繋がる恐れも出てきます。

『金龍大神水』は、本来門外不出で
御本尊観音様に御供えする為の神聖な水ですが、
万が一の災害時には被災者の為、仏教の利他精神に基づき、
みんなに優しい安心のお寺である泰聖寺が『金龍大神水』を提供します。

ただ、沢山の人々を救う為には大規模な整備が必要なので、
私自身、僧侶としての急務だと危機管理を認識しています。

金龍大神水Gallery

金龍大神水Gallery1

金龍大神水Gallery2

金龍大神水Gallery3

延命将軍地蔵菩薩

延命将軍地蔵菩薩
▲延命将軍地蔵菩薩

延命将軍地蔵菩薩は、元々は違う土地にて安置されていたお地蔵様でした。

平成31年、その地の事情により祠を取り壊しになる予定だったのを、
周辺住民の皆さんの信仰が大変厚いお地蔵様だということで、
それならば泰聖寺の境内への移転はいかがですか、とお迎えを致しました。

地元の方々に大切に祀られてきたお地蔵様ですので、
こちらに移られた後もきっと変わらず、
温かく私達を見守ってくださることと思います。

境内名所の保全

境内名所の保全

泰聖寺では寺院によくある定期的な寄付は募らず、
主に法事等で頂いたお布施にて境内名所の保全を行っております。

天王寺七名水の一つ「金龍大神水」の井戸の整備をはじめ、
令和に入ってからも、眼力稲荷大明神の祠の塗り直しや新しい鳥居の設置、
地域の事情によって取り壊される予定だったお地蔵様をお迎えするなど、
檀信徒の皆様や縁者の皆様が気持ちよく足を運んで頂ける境内となるよう、
日々の整備・保全を行っています。

▲TOP